インタビュー記録でたどる、メジャーリーガー・イチローの軌跡
「僕は常に戦っています。苦しいのは当たり前だし、それもメジャーで野球をやる楽しみの一つなのかもしれません」。


2000年秋から2010年シーズン直前まで、スポーツ雑誌などで掲載されてきた30編のイチローのインタビューを一冊にまとめた本。


一応、区切って章にしてタイトルをつけているが、最初から最後まで年ごとにイチローのインタビューとそれを取材してきた記者の解説のセットが一冊に丸々詰まっていると思えばよい。MLBだけでなく、WBCのときの話も含まれている。


毎年、進化を続けている。そして、妥協しない。野球が好きという初心を忘れない。様々な迷いや、スランプや、周囲の期待や、記録へのプレッシャーと向かい合いながら、イチローはイチローらしく歩み、そして勇気をくれる。


現代のサムライ。月並みだが、本書を読んで、改めてそんな風に思う。我々と同じ時代を生きているスーパースターの考え方や変遷を、本人のインタビューを通して垣間見ることができる一冊。