専門書という感じ・・・
著者の講習会を聞いて、なかなか面白かったので手にしてみましたが、本そのものは多彩な内容の「専門書」といった感じです。以下参考になった部分を列挙すると、サイドアウト獲得率、スパイクのフェイク、打点に関しての右軸の考え方、サーブレシーブに関するフォーメーションの分類法、レシーブ関するベースポジション・リードポジション・アジャストポジションの考え方、アタック・ブロックに共通するスロットの考え方、コンビネーションに関する名前のつけ方と種類、ブロックシステムとブロックの配置、状況判断に関わる視線の動き、などです。巻末に技術チェック表があり、指導現場には便利です。

総じて、これまでの写真を中心とした指導書とはちょっと趣の異なるテキストで、指導者や高校以上の選手にはお勧めですが、小・中学生には難しい本です。またせっかく、種々の言葉と考え方を紹介しているのですから巻末に索引があればと思いました。



なるほど言葉は大事
バレーボールの指導をしている者ですが、複雑化する戦術を的確に表現する「言葉」が不足していると日頃感じています。例えば時間差のトスでも高さや距離の違う様々なものがありますが、それらを呼びわける言葉はありません。この本の内容で私にとって役に立ったのは、例えばネットの長さを９等分して１から９という番号をつけるなどの工夫によって、それらすべてのトスにきちんと名前をつけられるというアイディアです。同様に、ブロッカーの位置を指導するときも、「３人は２，６，７に立て」と言えば、簡単で正確です。さっそく取り入れてみたいと思います。