おもしろい！
西部氏は戦術の本をたくさん書いているが、

この本は『戦術クロニクル』と並ぶ名著だろう。

サッカーファンはもちろん、マニアには一読をお勧めする。


中身は１９６６年ワールドカップからの戦術変遷を辿っているが、

ブラジルやアルゼンチン、イタリアといった強豪国の戦術が、

どう変わっていったのかが知れてとても参考になった。


なぜ黄金のカルテットが敗れたのか、

マラドーナのワンマンチームがどうして優勝できたのか、

初優勝したイングランドは意外と先進的なシステムだったなど、

面白い新発見がたくさんあって、とてもお得な感がある。


ワールドカップの戦術史といった位置づけだろうが、

今まで知らなかったワールドカップの裏史ともとらえられる。

これほどの情報量を網羅した本はちょっと記憶にない。


難点をいえば、１９６２年ワールドカップ以前に触れていないこと。

ウルグアイやハンガリー、

オーストリアの強さの正体を知りたかったので、

そこだけはちょっとがっかりした。

次回に期待したい。